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わかりやすいが、100点ではありませんね

2010.01.05.19:29

できるだけわかりやすい発音指導テキストを探して、候補にあがっているのがこの本です。世の中にはいいかげんな本も多いんですけど、わりあいとしっかり書いています。音声学や英語史も一通りは勉強した上で書いてるのはわかりますね。説明がわかりやすくとっつきやすいのを重視してるのはさすがに予備校講師ですね。



ただ、100点とはいきませんねえ。説明の中で、「それホント?」と言いたくなることも、まあ、ないわけではないです。それは別としても、「そこまで書いたのなら、もうちょっと言ってほしかった」というところがあります。たとえば、



t, p が語頭では帯気音になるということを言っているなら、k もそうだということを書いてほしい。

語中にある t が有声化して d になることを書いているのに、さらに、それが「たたき音のr」になるということを書いてないのは、どうしてか。

n の発音では、日本語の「に」と英語の ni が違うことを書いてほしい。

英語の hi, hu の発音は日本語の「ひ」「ふ」とは違うことを書いてほしい。



こういったことです。先に挙げた、牧野さんのだとか、あるいは『脱・日本語なまり』など、こういったクラスの本を使えば、非常に正確なんですが、こういうレベルの大衆向き出版物だと、どうしてもポイントをすべて網羅してくれていないのです。まあ、100点を望まず、85点でも90点でも、いちばん点数の高いものを選んで、足りないところは教師が補うと考えてやるしかありませんね。



「アメリカ英語では、語中の t は d になる」ということを知っている人は、「それはさらにたたき音の r になる」ということを知らないはずはないのです。ですから、知っていて、それはあえて削ったのでしょうけど、その判断は妥当なのかなあ、と思います。



さらに、あいまいな a を長く伸ばし、それに r の音色が伴った母音については(発音記号が入力できないので、めんどくさい書き方になりますが、つまり heard や hurt の母音です)思い切って省略してますね。まあこれは、むずかしければ、r の音色を入れずにあいまいなaを長く伸ばすだけのイギリス式発音を採用すればいいわけなので、たぶん、そういうむずかしい要素は触れないようにするというポリシーなのです。
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プロフィール

SH

Author:SH
東京大学大学院総合文化研究科出身。現在、地方の公立大学教授。第二言語習得研究・音声学等の知識をもとに25年以上にわたり英語教育に携わる。
TOEIC990点。
英語のほかいろいろな言語をやってみました。フランス語・ドイツ語・中国語も本を読むことはできます。現在は中国語とロシア語を学習中で、自分の外国語学習理論による多言語習得をめざしています。ハングル能力検定3級合格。

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