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英語学習法はある程度確立された分野である

2013.07.25.11:06

考えてみれば、効率的な勉強法というのは既に「確立した知識」になってきていると思います。
SLAに基づいて、多量のインプットと少量のアウトプット、インプットとアウトプットをつなぐ音読・シャドーイングなど・・そしてディクテーションに音読。基礎の文法をちゃんとおさえる。多読を取り入れる。オーディオブックを聴く。瞬間英作文の練習・・など、効果的な勉強法のレパートリーは既にもう出ており、これで十分なのです。

ただ世の中では、自己流で上達した人のいろいろな本もあり、例えばその中には「英英辞典を片っ端から3万語覚えよう」というようなありえないことを書いているものもあったりします。

つまり、まともな学習法本なら、だいたい書いてあることは同じになってしまうのです。あとは、今の英語力と、英語をやる目的、個人のスタイルによってアレンジし、最適なコンビネーションを決めるということです。

中学校の参考書って書いてあることは同じですよね。『中3数学』の参考書を見て「目新しいことは何にも書いてない!」と腹を立てる人はいません。それが確立した分野でありどれも基本的に同じであることは誰でも知っています。

本来、英語学習法もそういうもの、妥当なことというのはだいたい決まっているのです。ですから2,3冊読んでだいたい同じだと思ったらもうそれ以上その手の本を読む必要はないということです。もっといい学習法はないかという期待を抱いて次々と学習法本に手を出すのは、「学習法本を書いてやろう」という特殊な人にしか必要のないことですね(笑) そういう暇とお金があったらその学習法を実践して英語力を上げるのみです。

ただ、その基本知識というのが十分に一般には知られていない。というのは、中学高校で教えているスタイルが、この基本知識とちょっとずれているからです。特に訳読というのは妥当性を欠いた学習法です(翻訳家をめざすなら別ですが)。これは大学入試の問題もからむので高校だけの問題ではありません

ですので、この基本知識を書いた、同じような内容の本が手を変え品を変え出てくるというのは意味があるのです。知識普及という意味で。それを「同じことしか書いてない」と学習法本オタクの人が批判するのは困ったものだと思います。

つまり、内容が新しいというより解説のわかりやすさとか、やる気にさせてくれるかとか、この教材を使えという具体的な情報がどれだけあるか、といった部分で差別化するということだと思います。評価もそういう基準で見るべきでしょう。

世の中には、いまだに「英会話ができるようになるためにはネイティブにたくさんの時間習わないとだめなんだ」と考えている人が圧倒的に多いのですよ、現状では。多読とか、やさしい英語の本をたくさん読むなんて何の意味があるのかわからない人が大部分なのです。そんなものですよ。

まあそこで、説得するのにSLAの知識がある程度の「権威」として役立つというわけです。

つまり、きちんとSLAとかの研究に添って妥当な学習法はどういうものか整理していけば、おのずと答えは決まってきます。
ただ自己流勉強法本が多いので、その中には、原則に沿っているから上達したという面もありますが、同時にその人にしか合わない特殊なものや、膨大な努力量が必要なもの、やらなくてもいいものなどが混入していることもあるわけです。その人には効果があったのですから理にかなった部分が必ずありますが、もしかすると不必要なこともやっていて、ただ全体の勉強量が多かったから結果的に上達したのかもしれませんね。

ですので、外国語に上達していくとはどういうことか、という原理から話をしている、というところも学習法本を見ていくときのポイントになるだろうと思います。

もう一つ学習法本について感じることは、多くは「そりゃこれだけ頑張れば上達するに決まっているよなあ」という感じで、その著者がもう英語学習に賭ける意欲が並々ではなく、ものすごい勉強量を前提としているものが自己流学習法本には多いです。そこで「地道にたくさんやれば上達する」と言われると、読んでる方は「なんだよそんな当たり前のことを言って」と反発したくなる心理もありそうです。

普通の人はそんな英語学習のみにすべてを賭けるようなことはできないのです。つまり「最小限の努力で最大の効果を上げる方法は何か」という関心でそういう本を読むのだと思います。そこにニーズとのギャップが生まれて、「当たり前じゃん」という反応として出てくることも考えられます。

いつまでにTOEIC何点、とか決められてしまっている人は、そういう人を多く指導しているTOEIC講師にアドバイスしてもらった方がいいですし、特にそういうのがなければ、私がこの前書いた「女坂アプローチ」、つまり効率は多少落としてもその過程を少しでも楽しくする、という方法が考えられます。本人がそれを楽しんで「努力」と思わなければ、それは、「最小限の努力」で達成したことになりますからね。
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プロフィール

SH

Author:SH
東京大学大学院総合文化研究科出身。現在、地方の公立大学教授。第二言語習得研究・音声学等の知識をもとに25年以上にわたり英語教育に携わる。
TOEIC990点。
英語のほかいろいろな言語をやってみました。フランス語・ドイツ語・中国語も本を読むことはできます。現在は中国語とロシア語を学習中で、自分の外国語学習理論による多言語習得をめざしています。ハングル能力検定3級合格。

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