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やりなおし英文法本の考察

2013.03.13.16:36

「やり直し英語」も最近重要なジャンルになってきてます。
本屋へ行くとあっという数の「やりなおし英語本」がありますね。中学英語のやり直しというのも多いです。

しかし! やり直し本というもののほとんどは「英文法のやり直し」です。
そこには「音声の基礎」が英語の基礎だという考え方はみじんもありません!
・・しかし、本を買う人たちにその意識がないのでは、売れないという問題もあるのでしょう。

まあその愚癡は置いておいて、「やり直し英文法本」を見ていますと、私から見ると二つの系統があります。

1 「語順」に重きを置いて理解させるもの。
2  もう一つはもう少し伝統的に、動詞、助動詞、現在完了などと項目別にし、語順については「文型」というカテゴリーで触れるものです。

1は、石塚秀穂さんのシリーズ(カエルの英文法そのほか)や、田尻悟郎さんの『英文法これが最後のやり直し!』なんかがあります。
大西泰斗さんのものなども語順感覚を重視してます。こっちの方が考え方としては新しいのです。「語順感覚」がわかるかというのはかなり本質的なことであって、それは「文型」などというカテゴリーに押し込めるようなことじゃない、という「英語という言語の理解」の根幹に関わります。


2は伝統文法なのですが、売れてるものでは山田暢彦さん『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』や、稲田一さん『中学3年間の英語を10時間で復習する本』などがあります。まあ数としてほとんどはこっちですね。

ではどっちをすすめるかというと、「どっちも」ですね。
やり直し英文法は一冊だけではなくて2,3冊読んだ方がいいと思います。

稲田さんの本は3年で43刷という売れ方にびっくりですが、まあ、最初にさらっと通読するには向いています。対話体の文が寒いというレビューがありますが人それぞれですね。私は気になりませんが。ただ、by whom が出てきたのはびっくりで、まあ、年配の方なのでそういうことなのでしょう。現在はほとんど使われません。あと何か「書き換え問題の解き方」みたいな解説はどうなのかと思ったのと(これは「英語は修飾節が後置される」というところから教えた方がいい)、be going to と will はまったく同じである、というのはどうでしょうか。山田さんの本ではちょっと違いますよということも書いてありますし、いまどき、イコールですよというのは違うというのは中学でも教えていいことでしょう。まあ、さらりと一読以上のものを求めなければよし、ということです。

山田さんの本は中学英語の解説として優れています。『くもんの英文法』を抜いて現在ナンバーワンだと思います。CDもありますしね。

それと、『英文法のトリセツ』というシリーズが一頃よく売れていました。
これは、解説がめちゃ詳しくて、品詞の意味など説明してくれたりするのがいいのですが、例文のレベルが高くて中学レベルではありません。大学受験生の基礎確認用を想定しているのでしょうか? 完全な英語やりなおし組は語彙力もないのですからこの本ですとちょっとつらいですね。


そういう本の一方で、語順感覚のことは理解しておくといいです。カエルの本は中学の内容を三冊かけて書いているので通読するとよくわかります。

中学レベルではありませんが、大西さん『ハートで感じる英語塾 英語の5原則編』はこの点でとても有益です。
語順感覚のことが詳しく書いてあります。
これと『一億人の英文法』は、山田さんなどの基本が終わったら買いそろえておくといいと思います。

ただ、英文法についてよくある間違いは、
文法を、文法問題を解くことによってマスターしようとするな
ということです。
「文法は、文法問題によっては習得できない」これは、SLAの常識です。
ではどうするかというと、とりあえず「知識として知っておく」ために文法書を通読するということです。
問題なんて答えを見て書き込んでもいいです。重要なのは、そういう文を暗唱したりすることです。
文法の知識を本で知っても、その文法を含んだ文をすぐにしゃべれるようになると思ったら大間違いです。そういうことを生徒に要求する指導も間違っています。
大量の英文を読んだり音読したり聞いたりしているうちにだんだんそういう知識が使えるようになってくるのです。
ですから文法書を前に「やるぞ!」とがんばるのはムダな努力であって、文法書というのは寝転んでざあっと目を通すためのものです。そしてわからないところが出てきたら辞書的に使う。
また時間が経ったら最初からざあっと目を通す。この反復。
できれば一冊だけじゃなくて2,3冊。

ですので中学のテストや塾で教えているようなやり方は、はっきり言えばSLAからは合理性に欠けるものです。

中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。
(2011/04/13)
山田暢彦

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高いですが、やりなおし英文法として一冊だけならこれがいいです。

基本にカエル英語の本 英文法入門 レベル1基本にカエル英語の本 英文法入門 レベル1
(2007/07)
石崎 秀穂

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中学の英文法を三冊かけてやろうというのがすごいですね。一冊にまとめてる別の本もありますが。
本当にわからない人はこれを読破するのもいいです。

ハートで感じる英語塾 英語の5原則編―NHK新3か月トピック英会話 (語学シリーズ NHK新3か月トピック英会話)ハートで感じる英語塾 英語の5原則編―NHK新3か月トピック英会話 (語学シリーズ NHK新3か月トピック英会話)
(2008/02)
大西 泰斗、ポール・マクベイ 他

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大変おすすめです。高校以上向きです。

一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)
(2011/09/09)
大西 泰斗、ポール・マクベイ 他

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「英語的感覚」に重きを置いた画期的な文法書だと思います。伝統的な文法書もあっていいですが、これを読むと英語とはどういう言語なのかという新たな発見があるはずです。
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comment

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No title

2013.03.15.15:45

参考になりました。

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2013.03.21.15:12

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2013.09.03.16:58

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

2013.09.03.22:07

記事にあるように、『一億人の英文法』は、例文が高校以上向きです。
この質問の方は、英語の勉強法への考え方が違っている気がします。
文法書をたくさん読むことだけで英語はできるようにならないし、文法も、文法書だけではわからないのです。
というのは基本的に英文をたくさんインプットし、データベースができてこないと、文法も本当にはわからないのです。文法は、データベースを整理するという形で了解できるものです。
まず問題集を解くことは必要ないです。それは効果的な学習法ではありません。
Forestはむずかしすぎ(詳しすぎ)でしたね。これをいま読む必要はありません。
それよりやさしい英語の本を多読することをおすすめします。そうすれば自然とわかってくることがたくさんあるのです。
まず勉強法の本を読むといいでしょう。このブログの中にいろいろ情報があります。

管理人のみ閲覧できます

2013.09.04.00:29

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

2013.09.04.00:40

CD音声を聞く、それをまねるリピーティング、シャドーイング、音読を重視してください。
メイン教材、発音参考書は記事に書いたとおりです。
文法書は今持ってるやりなおし英語本で十分です。
では頑張ってくださいね(^^)

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2013.09.04.15:42

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

2013.09.04.23:20

タイトルは『NHK CD BOOK基礎英語』1~3です。
文法書はお持ちのもの、
あと『絶対発音力』か『英語舌のつくり方』のどちらか
『英語多読ブックガイド』
辞書はエースクラウン英和辞典
以上です(^^)

管理人のみ閲覧できます

2013.09.05.14:59

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Re: No title

2013.09.05.16:12

9月4日付け記事を参照くださいませ。
では失礼いたします(^^)

管理人のみ閲覧できます

2013.09.05.18:07

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

2013.09.05.20:32

いえいえ(^^)
読者のニーズがわかったという意味で有益でした☆

No title

2013.11.13.17:44

参考になりました。
プロフィール

SH

Author:SH
東京大学大学院総合文化研究科出身。現在、地方の公立大学教授。第二言語習得研究・音声学等の知識をもとに25年以上にわたり英語教育に携わる。
TOEIC990点。
英語のほかいろいろな言語をやってみました。フランス語・ドイツ語・中国語も本を読むことはできます。現在は中国語とロシア語を学習中で、自分の外国語学習理論による多言語習得をめざしています。ハングル能力検定3級合格。

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