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『英語上達完全マップ』について

2013.03.11.18:59

有名な、森沢さんの「完全マップ」です。
今回、詳細に読み込んでみました。
結論から言えば、この本は、木村達哉さんの『パワフルメソッド』と並んで、現在出ている英語学習法の本の中では白眉といっていい、と思います。
この本のよいところは具体性です。
何をどういうペースで、どう組み合わせてやっていくかというのがはっきり描けているのがよいです。
音読はいいとか、多読はいいとかシャドーイングとか、何がいいと言うだけでは学習法の本としては不足なのであって、どういう教材をどういうペースでやるかという具体的な情報が必要なのです。
基本コンセプトは、中学英語の徹底的なマスターで、その基礎の上に積み上げていくというスタイルで、その点好感が持てます。

ただ、出版から日が経ったので、巻末の推薦書リストは古さを感じさせます。
それと、最近出てきたスカイプ英会話スクールについて、今書くならば当然出てくるだろうと思います。
もう一つ、私の考え方では、多読はもう少し早い段階で導入してもいいでしょう。ORTなどとてもやさしいものもありますので。

SLAでは「大量のインプットと少しのアウトプットだ」と言われますが、
この森沢式ではアウトプットの部分は瞬間英作文でカバーされているということでしょうね。

この本で学ぶべき重要なコンセプトは「英語学習は体育系トレーニングのような性質がある」ということでしょう。
言いかえれば、「英語は実技科目」です。
数学や社会とは違うということです。
つまり「できるまで反復する」という「身体に覚え込ませる過程」です。それがこれまでの教育には不足していました(特に高校ですね)。

大学については、学校により差が大きくて、けっこうカリキュラムを練り上げて作っているところと、適当な科目を並べて適当に取ってくれというのもあったりします。訳読も依然として生き残っているようです。
「実技形トレーニング」として体系的なカリキュラムを作るというのが私の理想です。
来年4月の公立移行はそのチャンスかもしれません。

よくあるのは、ライティングとかスピーキングとか、スキル別のクラスがずらっと並んでいるパターンですが、
これはいいようでいて、基礎力がない人にはあまり向いていない編成です。
基礎というのは中学英語(英検3級程度)の英文がすらっと口をついて出てくるようなレベルということです。「その英文は読めばわかります」というのではなくて「言えるか」という視点で見たときにどういうレベルかということです。
そこで、中学文法+1000~1500語程度の範囲で完全にできているか、という観点で見て、できていなければそこまでを徹底的に実技系で鍛えるというわけです。
その際は、ここで言う「音読パッケージ」、つまりある英文を聞き、リピーティングし、音読しというふうに徹底的にインテイクする学習が最も効果的なのであって、それをリーディング、リスニング、スピーキングというふうにスキル別に分断するのは意味ないです。
英文を読むことが単に意味を取るだけでインテイク作業が入らないようなリーディング授業があるから、じゃあリスニングやスピーキングが必要だという話になるのです。音なしでリーディングをやるなんていう「常識」が間違っております。

ともあれ、この本は評判だけのことはあると思います。学習法に関心のある人は一読すべきです。



英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法
(2005/10)
森沢 洋介

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プロフィール

SH

Author:SH
東京大学大学院総合文化研究科出身。現在、地方の公立大学教授。第二言語習得研究・音声学等の知識をもとに25年以上にわたり英語教育に携わる。
TOEIC990点。
英語のほかいろいろな言語をやってみました。フランス語・ドイツ語・中国語も本を読むことはできます。現在は中国語とロシア語を学習中で、自分の外国語学習理論による多言語習得をめざしています。ハングル能力検定3級合格。

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