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TOEIC勉強法本を考える

2011.10.28.11:09

3ヶ月でTOEIC900点を取ったとか、その手の勉強法の本が何冊か出てます。
じっさい、900点というのはそれほどたいしたことはないので、集中してやれば取れるのは事実です。

ふつう、ある分野でどうトレーニングしていくかというのはその道のプロが書くものですよね。TOEIC900くらいで勉強法の本を出すというのは常識からすると不思議です。900がどの程度のものかは900をとった人自身が一番よく知っていると思います。

たぶん世間では

TOEIC満点=ネイティブと同じ
TOEIC900点=ネイティブの90%の英語力

こう思われているのでしょうね。そうすると900はすごく高いように見えます。
TOEICの英語が実際に英語よりずっとやさしい英語であるということは実際にやっている人以外はあまり知りません。

その勉強法本ですが、共通してあるのは、リスニングと音読は必ずやっていますね。
学校英語でできないのはその二つをやらないからで、この二つをたくさんの時間やっていれば伸びるのは当たり前のことです。
ただそれを具体的にどうやるかというと、それはあくまでその人はそうやって成功した、ということなので、どこまで普遍性があるかわかりません。
そもそも、第二言語習得理論とか、外国語学習法についての科学的な研究があるということを知らないようです。

それと、基本的に「スポ根」です。いかにしてモチベーションを維持するかということに紙数がさかれているケースが多いですが、苦しいトレーニングをやり遂げて達成感を得るという発想です。こういう人は一日数時間は勉強しています。それだけやれば、そこにリスニングと音読が入っている限り上達するのは当たり前です。つまり、集中してたくさんの時間をやったから伸びたのかもしれず、そのやり方がベストであったからという証明にはなりません。たとえば、音読やシャドーイングをやるのに、まずその前に発音をしっかりやっておく必要を書いてあるものは、私の見たところ一冊しかなく、「なんちゃって発音でも900点は取れる」などと書いてあったりします。たしかに900はとれますが、それは900はまだなんちゃって英語にすぎないからであって、この人はゲーム的にスコアを取りたかっただけで英語力自体には興味がないのではないでしょうか。なんちゃって英語で満足しているわけですよね。

900というと、柔道とか将棋とかにたとえれば二段くらいの感じです。集中的に努力すれば誰でもその程度はいきます。
こういうアマチュアのスポ根系勉強法本よりも、前に書いた高橋基治さんとか中村澄子さんとか、その道のプロの書いた本を頼りにした方がいいと思います。
しかしある意味では、プロの英語教師の側が、勉強法についての知識をあまり発信していないということもあるでしょう。TOEICについては出ていますが、一般的な英語勉強法本は、安河内さんのものとかありますが、まだまだ多くはないです。そういう知識が広まっていないので、個人的体験を記した本がその空隙を埋めるべく出てくるのだと思います。(ちなみに、世間で評価の高い森沢さんの上達マップも、私から見るとあまりにスポ根系で、よっぽど根性のある人でないと実践困難という気がします)
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プロフィール

SH

Author:SH
東京大学大学院総合文化研究科出身。現在、地方の公立大学教授。第二言語習得研究・音声学等の知識をもとに25年以上にわたり英語教育に携わる。
TOEIC990点。
英語のほかいろいろな言語をやってみました。フランス語・ドイツ語・中国語も本を読むことはできます。現在は中国語とロシア語を学習中で、自分の外国語学習理論による多言語習得をめざしています。ハングル能力検定3級合格。

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