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語学で身を立てる

2011.10.11.20:59

こちらの本を読みました。いや~かなりおもしろかったですね。

語学で身を立てる (集英社新書)語学で身を立てる (集英社新書)
(2003/02/14)
猪浦 道夫

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読んで字の通りのテーマで、いろいろ情報満載です。実際に語学で生活して行くにはどうすればいいかというかなり具体的な見通しが得られます。英語だけでなくて各国語の需要の見通しなんかも書いてあります。

あと、語学教師という道についても触れていますが、日本ではきちんと外国語教授法を身につけた語学教師が少ない、と書いてあります。これは事実ですね。
もちろんいることはいるのですが、英語教師の必要数があまりに多いので、人材がそろえられないということもありますし、大学での英語教師養成のシステムにも大いに問題あり、とも言えます。
たとえば第二言語習得理論の教科書なんかも日本語教師養成課程のためのもので、英語教師はそれを知らなくてもなれてしまうというのはおかしなところです。

語学教師に必要なものとして、言語学の知識、音声学の知識、教材の知識ともう一つ「対象言語で書かれた日本語学習書を読む」というのがあるのはおもしろかったですね。日本語を客観的に知るという趣旨のようですが、これは試してみたいものです。ただ、実質的には、日本語教師向けの日本語文法解説書でも十分かもしれません(前に記事にしたことがありますが、そういう意味の日本語文法は、私たちが学校で習う国文法とは相当違っています。国文法よりもその日本語文法が外国語教師には有益なのです。それから日本語音声学の基礎知識も望ましいと思います)。

それと、TOEICで900点以上をとっても翻訳者としては使えないケースが多いとも言っています。
これはTOEICというテストの性質からしても当然ですよね。TOEICでは、短い時間で必要な情報を探し出す能力をテストしているわけですから・・翻訳というのはむしろ時間がかかっても細部までぴっちりわかることが必要なので、求められる英語力の質が違うのです。
これはTOEICがダメというわけではなくて、テストというのはそもそもある一部を切り取ったものでしかない、ということです。
実際TOEICの文章なんか、一定以上難しい文章は出ませんし、むしろ難度よりも量をいかに速く処理するかということですから、翻訳をやろうという人はTOEICを目安にして勉強をするのは方向違いですよね。むしろ、大学受験みたいな、文法をきっちり解析して難しい文章を読みこなすかという勉強が有効だと著者も言ってます。それは当然で、受験英語というのはそもそも、難しい専門書を読みこなすための英語にほかなりませんからね。

しかしこの著者の人、相当な語学マニアですね。20カ国語をやって、数カ国語で仕事をしてきたそうですから・・

学習法について書いているところには異論もありますが、ここで書かれているのはあくまで「プロ」を目指す場合の勉強法ですね。

けっこう売れてる本みたいですが、語学を仕事にしたい人は一度読んでおいて損はない本でしょう。
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プロフィール

SH

Author:SH
東京大学大学院総合文化研究科出身。現在、地方の公立大学教授。第二言語習得研究・音声学等の知識をもとに25年以上にわたり英語教育に携わる。
TOEIC990点。
英語のほかいろいろな言語をやってみました。フランス語・ドイツ語・中国語も本を読むことはできます。現在は中国語とロシア語を学習中で、自分の外国語学習理論による多言語習得をめざしています。ハングル能力検定3級合格。

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