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大学入試の問題点

2013.06.03.00:50

イングリッシュ・ジャーナル7月号を見たのですが(定期購読は発売日より早く届きます)、木村達哉さんが、大学入試について書いていました。つまり、いまの大学入試は、センター試験を含め、「使える英語」をテストするものになっていないと。そこを変えないと、いくら学校で「使える英語」を教えようとしても生徒は真剣には取り組まないだろうと。それはそうでしょうね。あと、東大の問題はよくできているが京大は駄目とか書いてあります。

国がやっているセンター試験が駄目ならそれをなぜ早く改善しないのでしょうかね。教育再生実行会議で出てきた「4技能型の新しい大学入試試験を」という意見は提言に反映されず、「外部テストを適切に使う」などという表現に止まってしまいました。TOEFLは無謀だったとしても、大学入試を大胆に変えて英語教育自体を改革するというコンセプト自体はよかったのですが、そこも後退してしまいましたね。

大学入試でむずかしい英文のリーディングばかり出題するから、高校授業もリーディングに特化してしまって、その結果4技能のバランスが崩れているのが問題なので、入試改革こそ重要なアイテムです。韓国でやっているテストを徹底的に研究して2,3年くらいでそういうテストを作ると政策的に決めていただきたかったところです。

木村さんも、

大半の大学の入試は依然としてリーディングの配点が高く、ほかの技能に関しては、力を入れて指導する気にならないのです。生徒たちと同じように、先生方も大学入試を優先してしまうのは、自然な流れです。

と書いています。そうですよねえ・・ せめて、センター試験のリスニングを半分にすることくらいしてもいいのでは?

また、京大でさえ駄目なのですから、一般の中小の大学には、よい入試問題を作れる能力はないことが多いのではないかと思います。自前で英語の問題を出すのは英語や外国語専門の学部・学科のあるところだけにしておいて(テスト理論の専門家が必要です)、ほかは国のよい英語テストを作って多くの大学にスコアを提供する形がいいのではないでしょうか。できれば受験生の多様性に応じて、難易度が二段階くらいで作るのがよいでしょうね。

あと木村さんの記事では、訳読をやめろと言ってもそれに変わる授業モデルがないではないか、とも言っています。これもその通りですね。

ただ前にも紹介したように金谷さんたちの試みはあります。

少し放言モードに入りますならば、英語の授業を倍にすればやれることはいろいろあります。
内容理解のための時間と同じくらい、定着のための活動に使うことができます。

逆に言えば、授業時間が同じなら、扱う英文テキストの量は少なくせざるを得ません。
また、和訳先渡しのテキストにしてしまって、時間を浮かすことですね。
テキストの量を少なくして、それを徹底的に暗唱するまでやらせるという形にするのです。その代わり、それとは別にもっとささしい英語の多読を導入するのです。そうすれば、今のやり方より遙かに英語力は向上すると思います。

それと、大学英語教員の意識改革も重要です。以前に比べだいぶましになってきてはいるのですが・・

昔は、外国文学専攻の人が生活するために語学教師になるというパターンがありました(私ももともとはそれ)。しかし今は、英語教授法や応用言語学の専攻でなければ英語の専任にはほとんどなれません。その結果、文学専攻の大学院はほとんど崩壊状態に近くなってますが(ほとんど就職がない)、それはやむを得ないでしょう。(前にどこかで書きましたが、もともと「英文学科」などというものは現実に専攻として成立し得ないのです。というのはTOEIC950点以上の英語力がなければ英語で文学などわかるはずがないからで、学生の英語力からしてこういう学科は意味がないですし、「英文学者」というものが今まで多すぎたのです。ですから英文学専攻の人がごく一握りしかいなくなるのはむしろ本来の姿だと思います。英文学者の数はロシア文学者の数と同じくらいで十分ですよ)
とは言ってもまだ旧世代の教員も生き残ってますから、完全な世代交代までには時間がかかります。
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プロフィール

SH

Author:SH
東京大学大学院総合文化研究科出身。現在、地方の公立大学教授。第二言語習得研究・音声学等の知識をもとに25年以上にわたり英語教育に携わる。
TOEIC990点。
英語のほかいろいろな言語をやってみました。フランス語・ドイツ語・中国語も本を読むことはできます。現在は中国語とロシア語を学習中で、自分の外国語学習理論による多言語習得をめざしています。ハングル能力検定3級合格。

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