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どうすれば話せるようになるのか

2013.02.22.00:37

木村達哉さんの、中高生向けの学習法『ユメ勉』ですが、
いちばんの要点は、習った英文を、「音読→暗唱→暗写」でインテイクすること、であるようです。
ここには英作文のことも載ってますが、スピーキングについてはあまり触れてませんね・・
ですが、スピーキングとはいわば瞬間英作文なのですから・・
逆に、『パワフルメソッド』の方では、ライティングという項目がありません。

そもそも「話せるようにするにはどうすればいいか」というので、「英会話の授業をたくさん受ければいい」と思っている人が多いんですね。
だからこそ英会話学校が繁盛しているわけです。
ですが、私たち英語のプロで、英会話学校で会話ができるようになると本気で信じている人はまずいないと思います。教える訓練をほとんど受けていない人がたくさんいることも知っています(余談ですが、地元のソフト整体のお店のHPに、「施術スタッフ募集。未経験者可」というのが載ってましたが、未経験者を採用して、ちょっと研修してすぐ現場に出すわけですね。そういうお店に行きたいと思いますか。でも免許を持ったマッサージ師のお店と同じ値段ですよ)。
あれはあくまで、そこに行けば会話ができるようになると思わせることで成り立っている商売である、と考えています。
大学の方でも、英語が専門じゃない人は、「話せるようにさせたいから英会話の授業をたくさん作ろう」などと考えがちです。自分が英語を習得した経験がないとそういうふうに発想してしまうのが日本人としては普通なのですね。
そうではない、まずインプット→インテイクがないと始まらない、ということを理解してもらうのに苦労します。
英会話学校に行くなら、ある程度自分の言いたいことが言えるような上級者になってこそ効果があります。
ほとんど何も英語が出てこない段階で会話の授業など受けても大して伸びません。
それよりも地道にインプット・インテイクを繰り返す。
ただ木村さんも強調するところなんですが、インプットをしていく際に、将来この英語を発信していくぞ、という気持ちでやるということです。
つまり、「意味がわかる」という段階で終わらせず、「言える」という段階まで持って行く。それが、音読・暗唱であるということです。

ただ、木村さんは多読についてはあまり触れてません。「やさしいものを大量に読む」という発想はあまりないようです。
そこをちょっと補うとよいのではないでしょうか。
つまりある英文を徹底して音読・暗唱・暗写まで持って行く学習と平行して、やさしめの英文を多読することをやっていくとよい、ということなのです。

スピーキングのための秘訣として、木村さんは特に「使える言葉のデータ量で決まる」と言っています。その前提の上で、使う機会を増やすのだ、と。
要はそういうことになりますね。
白井さんが「初級はインプット100%でもいい、進むにつれてアウトプットを30%まで増やす」と言っているのもこれと対応します。最初はデータ量がないのだから「話せ」と言っても無理、だんだんデータベースができるにつれて発信を意識していく、という流れです。
ですのでネイティブ講師というのは上級になるほどいいのです。中学英語も怪しい人がネイティブに習っても全くの無駄。英会話授業そのものが無駄。先にやることがあります。
インテイクしながら自分でも文を作ってみる、という活動を音読・暗唱の合間に入れていくという感じでアウトプットをはさめば十分ではないかと思います。
ですから私は初級者に対しコミュニケーションの授業などというものには反対です。あくまで4技能総合の授業にすべきです。アウトプットに特化した授業を50分とか90分とかやるのは効果的ではないと考えます。

それからと、現在では、スカイプ英会話が、英語を実際に使ってみる場として有力なツールなのですが、木村さんはこれに触れてないのは、残念ですね。
高校生くらいから少しずつスカイプ英会話をやるといいと思います。
ただしこれだけで英語が上達すると思わず、あくまで実践の場を求めるということです。
他に何の勉強もせずスカイプ英会話だけで上達しようというのは効率の悪いやり方だと思います。

従来型の英会話学校は先にも言ったように上級者になってフリートークがある程度できるような人には使いようによって役に立つと思います。初級者にはあまり意味はないです。

上級者であっても、ネイティブにこだわるのでなければ、スカイプで十分だと思います。私も、周囲に英語を話す人がいないので時々スカイプ英語をやって感覚を取り戻すようにしてます。

まとめますと、スピーキングの上達は、単語や文法を別としますと、
1.読解し、それを音読・暗唱・暗写(場合によってはディクテーション、シャドーイングなども)で、徹底してインテイクする。必ずCDを活用しリスニングをのばすのと同時並行で。
2.それと平行してやさしい英語を多読していく。
3.ある程度英語のデータベースが頭の中にできたら、時々スカイプ英会話を使って実地練習をする。

これが私の理想とする学習法の組み合わせです。

もしそれをカリキュラムとして組むならば、

音読・暗唱・暗写、ディクテーション、音声指導などいろいろ行う総合英語のクラス
やさしい英語をたくさん読む多読クラス
スカイプ英会話を組み入れたマンツーマンのアウトプット機会

こんな感じでいくと理想的だと思います。こういう総合的なもので話す力が出てくるので、会話の授業を闇雲に増やせばいいというのは、英会話学校に行けば話せるようになると信じている人の考えることですね。

木村さんは、本当に上達したかったら、英会話学校ではなくて「通訳養成系の学校」に行きなさい、とすすめています。
これはいいアドバイスだと思いますね。本当に力がつくのはそちらです。
実際私も、若い頃にそういう学校に行っておくとよかったな、と思うことがあります。

今井康人さんの本も、音読・暗写・多読の効果について述べてますので一読をお勧めします。教員向きではありますが、学習法について示唆を与えます。

英語力が飛躍するレッスン―音読・暗写・多読のメソッド公開英語力が飛躍するレッスン―音読・暗写・多読のメソッド公開
(2009/02/21)
今井 康人

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キムタツ先生の学習法本

2013.02.20.16:47

つづいて「キムタツ」先生の学習法の本を読んでます。
なかなかいいですね。経験に基づいています。
思うんですが、白井さんのSLAの本のようなのは、基本的な原則を知るにはとてもいいです。ただ、現状として、SLA研究は、具体的に学習法はこうしたらいいという細かいところまでアドバイスできるほど、具体的な学習場面までに落とし込めてはいないのではないかと思います。
たとえば白井さんは、音読の効果についてははっきりとした研究結果はまだないと書いていました。
実のところきのう紹介した白井さんの本も、具体的な学習法のアドバイスとしては、あまり詳しくないというか、原則に基づいた答えで、英語を日本人に教えるプロではないというところは感じました。
音読だけではできるようにならない、アウトプットが必要だと書いていますが、音読の効果を調べた研究がないのであれば、それはただ原則をあてはめて言ってるわけですよね。経験的には実際に音読が効果をあげてるということは事実なので、理屈だけで言うのはちょっと弱いと思いますね。

学習法の本も、個人一人の体験談のようなものはどれだけ普遍性があるかわかりませんが、キムタツ先生のようにプロの教師であれば、それなりにいろいろやって効果のある方法を発見しているわけなので、具体的な方法論としては聞くべき所は多いですね。
たとえば、キムタツ先生は反復による暗唱の効果を言うのですが、そういうことは白井さんはあまり言ってません。日本人にとっては、インプットも、音声を使って反復していく形のインプットが効果的なのは経験的に言えるのですが、白井さんにはそういうことはわからないようなのです。それと白井さんは「聞き流しも効果的である」と言っていますが私はそうは思えません。つまり、白井さんの学習アドバイスは絶対的なものと見る必要はないということですね。
ですので、白井さんの本はあくまでSLAの基礎知識を得て、原理原則を知るためのものとして、具体的にインプットとアウトプットの学習をどう進めていくかは、こういう現場の人の意見をもっと聞くのがいいかと思うわけです。

これのいいところは、とにかく音を入れて勉強することを強調していることです。英文法もCDつきので音を使って入れろ、ということです。
今までの日本の英語学習における最大の欠点は「音を無視して勉強する」ことだった、という反省に基づいているわけです。
白井さんには、そういう問題意識がちょっと薄かった印象です。

ともあれ、英語学習本を大量に読んでいる私ですが、この木村さんの本はその具体性・明快性・効果において、最もこのジャンルで優れた本だと思うので、推奨いたします。
なお彼には別の学習法本、『ユメ勉』というのがありますが、これは受験生向けです。一般向けにはこちらの『パワフルメソッド』です。

キムタツ式 灘校生が実践しているTOEIC900点を当たり前のように取るためのパワフルメソッド    今度こそ失敗しない「使える英語」学習法キムタツ式 灘校生が実践しているTOEIC900点を当たり前のように取るためのパワフルメソッド 今度こそ失敗しない「使える英語」学習法
(2013/02/09)
木村 達哉

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白井恭弘さんの新刊

2013.02.19.20:02

ひさびさですが、こちらの本を見ました。
白井さんのSLA本の中ではいちばんわかりやすく書いてます。ちょっと、自分の英語学習経験の話が長いですけど。
正しい学習は「多量のインプットと少量のアウトプット」ということを、とにかく読んだ人の頭に残るように、それだけに絞って書いていると思います。
これに比べれば、今までの本はけっこう難しいとも言えますからね。いろいろなことが書いてあるのでいいのですが、いちばん大事なことは「大量のインプットと少量のアウトプットだよ」ということなので、それだけわかってもらおうという趣旨です。
最初に読む一冊としてはいいのではないかと思います。
ほかにも「科学的」とついている勉強法本がありますが、SLAとは何も関係ない体験ベースで書かれているのもあるようです。

ただ具体的な勉強法についての記述には全面的に賛成というわけでもありません(次項でまた述べます)。

英語はもっと科学的に学習しよう SLA(第二言語習得論)からみた効果的学習法とは英語はもっと科学的に学習しよう SLA(第二言語習得論)からみた効果的学習法とは
(2013/01/31)
白井 恭弘

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プロフィール

SH

Author:SH
東京大学大学院総合文化研究科出身。現在、地方の公立大学教授。第二言語習得研究・音声学等の知識をもとに25年以上にわたり英語教育に携わる。
TOEIC990点。
英語のほかいろいろな言語をやってみました。フランス語・ドイツ語・中国語も本を読むことはできます。現在は中国語とロシア語を学習中で、自分の外国語学習理論による多言語習得をめざしています。ハングル能力検定3級合格。

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