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語順がすべての英文法

2013.08.12.01:35

英語の文法を復習するっていうとどういう本があるのかっていうと、これまでは『くもんの中学英文法』なんかが定番でした。
でも最近思うのは、こういうふうに伝統的に、BE動詞と一般動詞から始まって、その否定文と疑問文、っていう説き方だと、いちばんかんじんなことは何か、というのがもう一つ頭に残らないのかな・・という印象を抱くに至りました。
そこで、

最初から、『一億人の英文法』を通読すべし

・・というふうに考えるようになりました。そのほうが早道なのです。
が、この本は例文が高校レベルなので、若干、まったくわからない人には厳しい。そこでぜひ、これの「ジュニア版」を作ってもらいたいと思うわけです。

で、なぜ『一億人の英文法』なのかというと、「英語の文法で最も大事なのは語順である」という大原則でほとんどをまとめてしまっているからです。

文法のまちがいというのにも程度がありまして、

A. Tom play tennis this afternoon.
B. Tom is play tennis this afternoon.
C. Tom is tennis play afternoon this.

Aの間違いは大したことはないです。Bも、主語・動詞・目的語という並びは理解しているのですから、悪くはありません。しかしCはちょっと深刻です。
Cは「どう並べていいかまったくわからない」のですね。

今までの文法書だと、こういうことは「文型」という項でちょっと触れてるだけだったのですが、それでは駄目で、「ならべ方が英語の根幹なのだ」という強烈な印象を読者に与えないといけないのです、文法書というものは。ほかのところが間違ってもならべ方さえよければ何とかわかりますからね。
(なお、is とは日本語の「は」にあたる、という「中間言語ルール」を持っている人は非常に多いですね、たぶん高卒の人でも。それはいくら言っても、英語力の全体が上がらないと簡単にアウトプットには反映しませんので、文法ドリルを繰り返してもムダです。ムダであることはSLAによって証明されています)。

ならべ方の基本がわかった上で、「疑問文は、通常の語順をひっくり返すことで注意を喚起する」という感覚がわかってくるのですね。

「英文法とは語のならべ方を教えるものだ」という原則がすみずみまで行き届いているのが「よい英文法書」の条件だと思います。そしてそのならべ方には「感覚」があるのです。文法とは「感覚の論理化」なのですよ。

というわけで、

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これはちょっと分厚い・・という人には、次の本はエッセンスが書いてあるのでいいと思います。


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なお、本当の初心者の人は、石崎さんの「カエルの英文法」も、ならべ方の原則という視点で書いてあるので、おすすめできるかと思います。


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英文法は語順が大事

2013.03.17.18:30

英語は文法的には日本語からかなり遠いです。
韓国語をやったことのある人は、日本語との文法の近さに驚いたと思います。
ほとんど単語を置き換えるだけで言えてしまう部分があります。漢字語もほとんど共通しています。

これが、英語やフランス語、スペイン語、ドイツ語など同じヨーロッパ系言語の関係でもあります。さらに文字も同じですから日本語と韓国語よりさらに近いです。

ですので、そういう欧米の中で発達した教授理論はどこまで日本の環境で使えるのか、という問題もあります。また、教えているのが英語圏で、外に出ればいくらでも英語を使う機会があるのと、日本でやるのとは同列に論じるわけにはいきません。
そこで、外国で英語教授法を学んできてもそれで授業するといまいちうまくいかないこともあり得ます。
欧米人が日本人の英語学習について何か言うなら、、欧米以外の言語、あるいはフィンランド語、ハンガリー語など違う言語系統の言葉を上級レベルまで学んでみてからやってくれよ、と言いたくなります。ネイティブの英語教師で、何年日本に住んでいてもいっこうに日本語が日常会話以上に上達しない人もいますが、違う系統の言語を上級レベルまで上達させるにはどうするか、という方法論を本当に知っているでしょうか。

さて言語的に言うと、英語はSVO型、日本語はSOVという基本的な違いがあります。
また日本語のようにさまざまな助詞・助動詞をくっつけて文を構成していく言語を「膠着語」といいます。韓国語、モンゴル語、トルコ語などがこれにあたります。モンゴル出身のお相撲さんは日本語がうまいですが、こういう文法構造の類似ということもあるのではないでしょうか? 
ヨーロッパ語は一般に「屈折語」と言われており、語形変化が重要な役割をしています。
しかし、フランス語などをやった人はわかりますが、英語はこの語形変化が大幅に退化しています。
たとえば人称変化は、go → goes など、三人称単数しかありません。
フランス語などでは、一人称・二人称・三人称の単数複数がそれぞれあります(同じ形になっている部分もありますが)。
つまり屈折が退化して、三人称単数だけ生き残ったのです。
語形変化が退化したため、かわりに、英語では語順が重要性を増しました。
これは、単語の並び方ですべてが決まる「孤立語」としての性格をも持つようになったことを意味します(孤立語の代表としては中国語などがあげられます。ただ北京語は清朝時代の異民族支配により膠着語的な要素も持つようになったといわれます)。
すなわちここで言えることは、「英語は語順が大事!」ということです。
それは二通りの意味で、日本語と違うSVOの語順であるということと、言語の性質として語順が中心である、ということです。
ですので、「語順感覚」を身につけることが非常に大切になります。

そこで、この前紹介した『ハートで感じる英文法』などをおすすめしたいわけです。

やりなおし英文法本の考察

2013.03.13.16:36

「やり直し英語」も最近重要なジャンルになってきてます。
本屋へ行くとあっという数の「やりなおし英語本」がありますね。中学英語のやり直しというのも多いです。

しかし! やり直し本というもののほとんどは「英文法のやり直し」です。
そこには「音声の基礎」が英語の基礎だという考え方はみじんもありません!
・・しかし、本を買う人たちにその意識がないのでは、売れないという問題もあるのでしょう。

まあその愚癡は置いておいて、「やり直し英文法本」を見ていますと、私から見ると二つの系統があります。

1 「語順」に重きを置いて理解させるもの。
2  もう一つはもう少し伝統的に、動詞、助動詞、現在完了などと項目別にし、語順については「文型」というカテゴリーで触れるものです。

1は、石塚秀穂さんのシリーズ(カエルの英文法そのほか)や、田尻悟郎さんの『英文法これが最後のやり直し!』なんかがあります。
大西泰斗さんのものなども語順感覚を重視してます。こっちの方が考え方としては新しいのです。「語順感覚」がわかるかというのはかなり本質的なことであって、それは「文型」などというカテゴリーに押し込めるようなことじゃない、という「英語という言語の理解」の根幹に関わります。


2は伝統文法なのですが、売れてるものでは山田暢彦さん『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』や、稲田一さん『中学3年間の英語を10時間で復習する本』などがあります。まあ数としてほとんどはこっちですね。

ではどっちをすすめるかというと、「どっちも」ですね。
やり直し英文法は一冊だけではなくて2,3冊読んだ方がいいと思います。

稲田さんの本は3年で43刷という売れ方にびっくりですが、まあ、最初にさらっと通読するには向いています。対話体の文が寒いというレビューがありますが人それぞれですね。私は気になりませんが。ただ、by whom が出てきたのはびっくりで、まあ、年配の方なのでそういうことなのでしょう。現在はほとんど使われません。あと何か「書き換え問題の解き方」みたいな解説はどうなのかと思ったのと(これは「英語は修飾節が後置される」というところから教えた方がいい)、be going to と will はまったく同じである、というのはどうでしょうか。山田さんの本ではちょっと違いますよということも書いてありますし、いまどき、イコールですよというのは違うというのは中学でも教えていいことでしょう。まあ、さらりと一読以上のものを求めなければよし、ということです。

山田さんの本は中学英語の解説として優れています。『くもんの英文法』を抜いて現在ナンバーワンだと思います。CDもありますしね。

それと、『英文法のトリセツ』というシリーズが一頃よく売れていました。
これは、解説がめちゃ詳しくて、品詞の意味など説明してくれたりするのがいいのですが、例文のレベルが高くて中学レベルではありません。大学受験生の基礎確認用を想定しているのでしょうか? 完全な英語やりなおし組は語彙力もないのですからこの本ですとちょっとつらいですね。


そういう本の一方で、語順感覚のことは理解しておくといいです。カエルの本は中学の内容を三冊かけて書いているので通読するとよくわかります。

中学レベルではありませんが、大西さん『ハートで感じる英語塾 英語の5原則編』はこの点でとても有益です。
語順感覚のことが詳しく書いてあります。
これと『一億人の英文法』は、山田さんなどの基本が終わったら買いそろえておくといいと思います。

ただ、英文法についてよくある間違いは、
文法を、文法問題を解くことによってマスターしようとするな
ということです。
「文法は、文法問題によっては習得できない」これは、SLAの常識です。
ではどうするかというと、とりあえず「知識として知っておく」ために文法書を通読するということです。
問題なんて答えを見て書き込んでもいいです。重要なのは、そういう文を暗唱したりすることです。
文法の知識を本で知っても、その文法を含んだ文をすぐにしゃべれるようになると思ったら大間違いです。そういうことを生徒に要求する指導も間違っています。
大量の英文を読んだり音読したり聞いたりしているうちにだんだんそういう知識が使えるようになってくるのです。
ですから文法書を前に「やるぞ!」とがんばるのはムダな努力であって、文法書というのは寝転んでざあっと目を通すためのものです。そしてわからないところが出てきたら辞書的に使う。
また時間が経ったら最初からざあっと目を通す。この反復。
できれば一冊だけじゃなくて2,3冊。

ですので中学のテストや塾で教えているようなやり方は、はっきり言えばSLAからは合理性に欠けるものです。

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高いですが、やりなおし英文法として一冊だけならこれがいいです。

基本にカエル英語の本 英文法入門 レベル1基本にカエル英語の本 英文法入門 レベル1
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中学の英文法を三冊かけてやろうというのがすごいですね。一冊にまとめてる別の本もありますが。
本当にわからない人はこれを読破するのもいいです。

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大変おすすめです。高校以上向きです。

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「英語的感覚」に重きを置いた画期的な文法書だと思います。伝統的な文法書もあっていいですが、これを読むと英語とはどういう言語なのかという新たな発見があるはずです。

英文法書の決定版? 『一億人の英文法』

2011.10.19.23:20

ついに出ました。大西さんの待望の、体系的英文法書です。
はっきり言って衝撃を受けました。こういう本を期待していたけれどまさかこれほどのものとは・・
これまでイメージで英文法を語るものは大西さん自身のものを含めいくらか出てはいましたが、英文法のほんとうに全体を、完全にその「キモチ」に沿ってすべて説明しきってしまった、これはすごいことです。
すべての英語本の中でも10年、20年に一度くらいの名著だと思います。
中学レベルからでも読めますので、すべての英語学習者、英語教師がこの本を読破することをおすすめします。

一億人の英文法―すべての日本人に贈る「話すため」の英文法 (東進ブックス)一億人の英文法―すべての日本人に贈る「話すため」の英文法 (東進ブックス)
(2011/09)
大西 泰斗、ポール マクベイ 他

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それから、この分野のもう一人の雄、田中茂範さんの英文法書もほぼ同時期に出ました。

これならわかる、使える そうだったのか★英文法 (田中茂範先生のなるほど講義録1)これならわかる、使える そうだったのか★英文法 (田中茂範先生のなるほど講義録1)
(2011/08/27)
田中 茂範

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これも読み比べてみるといいですね。ただ、包括性においては大西さんの本の方が優れています。というのは、英語の基本構造である「語順」についていろいろと説明してあるからです。田中さんのこの本は、いろいろトピックをあげて説明する形なので網羅的とは言えません。とはいえ私もこの本を読んで初めて気づいたことがあったので、内容的には深いですね。
田中さんのほかの英文法書も優れたものがありますが、基本的に中級以上向きです。大西さんの本は初級者でもわかるように書いてあるところがすごいです。

イメージで捉える感覚英文法―認知文法を参照した英語学習法 (開拓社言語・文化選書)イメージで捉える感覚英文法―認知文法を参照した英語学習法 (開拓社言語・文化選書)
(2010/10)
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あと、この本も出ました。参考のために買いましたが、レイアウト的には圧倒的に地味ですね。出版社のキャラクターもあるのでしょうが。内容のほうはまだ読んでないのでわかりません。気になるタイトルではあります。

と、いろいろ英文法も進歩してきました。まだまだ、チマタにある文法書は感覚にもとづかない「学校文法」をいかに効率よく教えるかという観点のものが多いです。中学英語のやり直し本とかありますが、それも結局は学校文法を復習するだけなので、やり直し派の人も、これからは『一億人の英文法』をさあっと、一週間くらいで一気に読破してしまうことをおすすめします。もう中途半端なやり直し本はいりません。そして、中級・上級の人も絶対に読むべきです。英語がわかるというのはどういうことかがわかります。いや、これはほんとに革命です。こんな本はめったに出ません。

文法がわかれば英語はわかる!

2010.11.04.23:00

文法がわかれば英語はわかる! (語学シリーズ NHK新感覚・わかる使える英文法)文法がわかれば英語はわかる! (語学シリーズ NHK新感覚・わかる使える英文法)
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田中 茂範

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この英文法書はすごいんです。タイトルや値段を見るとよくある本のようにも見えますが、さにあらず。コアイメージの田中先生、渾身の英文法の体系的解説ですよ。これは形式から入るのではなく、あくまで表現しようとする主体の「感覚」から文法を記述しようという試みです。その結果、「動詞チャンク」や「名詞チャンク」などの概念が主軸になってきています。全体の構造を示しているだけでなく、結構細かい表現法についても解説があります。

これは名著ですね。熟読すべしです。こういう、学校文法のオルターナティブとなる体系的文法書を待っていたのです。
プロフィール

SH

Author:SH
東京大学大学院総合文化研究科出身。現在、地方の公立大学教授。第二言語習得研究・音声学等の知識をもとに25年以上にわたり英語教育に携わる。
TOEIC990点。
英語のほかいろいろな言語をやってみました。フランス語・ドイツ語・中国語も本を読むことはできます。現在は中国語とロシア語を学習中で、自分の外国語学習理論による多言語習得をめざしています。ハングル能力検定3級合格。

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