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発音本の一長一短

2010.03.07.14:20

う~ん・・

テキスト候補の『絶対発音力』を精査してますが、やはり、第4部の「リンキング」のところはちょっと、説明が簡略すぎますね。



この部分では、『英語舌のつくり方』がいいです。

この本では、bus の母音について独立した母音として扱ってないみたいなのにびっくりします。よく見てみると、この音は、あいまい母音の強形として位置づけられていることがわかりました。つまり、あいまい母音を強めに言えば bus の母音になるということです。ですからまずあいまい母音をやって、それを強くすればいいという指導法だと理解できました。たしかに舌の位置などはかなり似ていると思います。



どの本も長所短所があって100点とはいかないので悩んでしまいます。

部分的にプリントで補足するしかないですね。
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英語音声面の学習書を考える

2010.03.06.23:32

音声面の教材についてあらためて考えてみました。



先に書いたように、1.個々の音素をしっかりマスターする、というのと、2.音のつながり、弱形、リズムの変化、など、という二つの要素があります。



外国語といえばどれも、音声システムが違うのですから、それをしっかりマスターすることが大きな部分を占めることはいうまでもありません。日本の外国語教育で音声面が重視されてこなかったのは、「漢文書き下し」の伝統があるからだといっていた人がいましたが、その通りだと思います。音はどうでもよくてとりあえず書いてあるものが読めればいいという、江戸時代までの中国文化摂取の方式が、英語に応用されてきたというわけです。



中国語でも、戦後になって音声重視の教育方針に変わり、英語でもセンター試験にリスニングが導入され、その外国語教育の文化を転換しようという、そういう時期に今はあたっているわけです。



で、英語の音声システムは、残念ながら、日本人にはかなりむずかしい部類に属します。よくいわれるのは、イタリア語、スペイン語、インドネシア語などはやさしいということです。日本語の音声システムは比較的単純なのです。世界の言語をみな音声システムが複雑な方から単純な方へ並べるとして(そういうことができるとしてですが)、日本語は、いちばん単純な方に近いわけです。ですからそれだけでも、日本人は外国語学習にハンディを持つことになります。そして英語は、複雑であると同時に、他にはあまりない独特の「クセ」を持っています。そういうややこしい言語が世界標準語になってるのは困るという意見は当然ありますが、そもそも何が世界で広まっているかというのはその言語が優れているというよりは政治的な力によるものですから、それを言ってもしかたありません。ついでにいえば、日本政府は世界で日本語教育を普及するのにもっとお金を使うべきです。それが国益であるという認識をもつべきです(その点、フランスや中国はすごいですね)。



前置きが長くてすみませんが、音声面の学習書には、



1. 個々の音素のトレーニング

2. 音変化、リズムなど



の二つの要素があり、1.をだいたいマスターしてから2.へ進むのがふつうでしょう。



1.の学習書としては、鷲見由理『DVD&CDでマスター英語の発音が正しくなる本』巽一朗『英語の発音がよくなる本』などあります。しかしこれだけでは音声面の学習としては道の半分にすぎません。



2.の学習書で比較的簡単なのは 藤田英時『知ってる英語なのになぜ聞き取れない?』ですかね。あと、深澤俊昭『英語の発音パーフェクト学習事典』もほとんどがこの2の分野でした。少し高度になってきますが、森田勝之『映画英語のリスニング』そして前項であげた西蔭浩子『英語リスニングのお医者さん改訂新版』などがあります。これらは1.を先にやってないと意味がありません。



音声面の教育を一冊でやろうという本は、1.2.の項目をアレンジしてまとめようとしています。



関正生『世界一わかりやすい英語の発音の授業』

野中泉『英語舌のつくり方』

靜哲人『絶対発音力』

小川直樹『イギリス英語でしゃべりたい!』




これはいずれも1.2.の両方の要素を入れようとしています。分量的に限られているので、たとえば音素の方は「日本人に苦手な音」に限るとか、ちょっと高度なことはパスするとか、そういう工夫をしているのがわかります。靜さんと小川さんのは、音変化の解説が音素の解説ほど詳しくありません。



私は先に、『絶対発音力』を一押しと評価しましたが、2の部分は少し説明が簡単で、指導者がないとむずかしいかな、と感じる部分もありました。2の部分については別の、それ専門の本をもう一冊やっておくのがおすすめです。1についても、全部の音素をカバーしていませんので、そういう本をあと一冊おさえておく、という体勢ですね。



それと前にも紹介しましたが、音声学の基礎知識と共に、日本語話者の得意・不得意についてよく理解できる、神山孝夫『脱・日本語なまり』は強力おすすめです。ここから入って音声学に興味を持ったら、英語音声学の入門書にあたるのも悪くないでしょう。人を教える人はそこまでやっておくとよいです。



1.2.の学習を一通り終えたら、あとはCDつきのテキストとかDVD英語字幕などで、ひたすら多聴と、それから精選したテキストについてシャドーイング・音読、というメニューが考えられます。



デイビット・セイン氏が英語でしゃべらナイトのシリーズで音読本を出していますが、「5回音読、それまではCDを聞かないように」とその使用法に書いています。これには賛成できません。実際、1の要素もしっかりできてない人がきわめて多いのです。そういうあやしい発音しかできない状態のまま音読することにはむしろ危険もある、と言っている人が多いですが、その通りだと思います。その音読本もレベルが合えば悪くありませんが、その使い方ではなく、CDをまず聞き、それの通りにリピーティングし、シャドーイングし、それから自分での音読に行く、という、國弘さんの『英会話ぜったい音読』に推奨されているやり方の方がいいと思います。

英語リスニングのお医者さん

2010.03.06.23:05

ここにリンクが出てきているのは旧版で、改訂新版が出てますので念のため。



音声面の教材では、個々の音素をしっかり身につける初級編と、つながる音や脱落、強弱リズム等々を扱う応用編の二つが考えられます。これはその応用編の方です。



けっこう、難度は高いと思います。TOEICよりもむずかしいくらいのレベルですね。これができれば、けっこう字幕なしでDVDが見られるかもしれません。



こういうレベルのものとしては他に『映画英語のリスニング』があります。そちらはラジオドラマ仕立てになってますが、『英語リスニングのお医者さん』は、ひたすら例文での練習が続くのでちょっと大変です。しかし、録音しているネイティブスピーカーはかなり感情を込めて読んでるので、悪くないです。素人ではないという感じですね。かなり、ばりばりのアメリカ英語です。実際に話されてるものにかなり近いと思います。



レベルが合っている人にはかなりおすすめ教材だと思います。改訂版が出るということはそれだけ売れているわけでしょうが、それだけのことはあるかもです。



ただ、これが音変化についての最初の一冊だとするとちょっとむずかしいのではないかとも思えます。『知ってる英語なのになぜ聞き取れない?』とか、もっとやさしいものからスタートするのも一法でしょう。



この『お医者さん』を『映画英語のリスニング』と比べると、私は、『映画英語』の方が、多くの人に勧められると思います。そっちの方が楽しさもありますし、音変化についての解説もかなりていねいだからです。『お医者さん』は、相当な上級者が、手加減なしのアメリカ口語のスピードを練習するのに適しているようです。


靜哲人『絶対発音力』 ――最強の発音入門本か

2010.03.04.17:45

発音を一から練習するテキストをずっと探してきて、ここに行き着きました。

結論からいえば、これは私が今まで見た本の中でいちばんいいです。



これを読む前まで、関正生の『世界一わかりやすい英語の発音の授業』をテキストにしようかと思っていましたが、逆転されました。



この『絶対発音力』は、最初から少しずつ難度を上げていく練習のシステムが、ひじょうによくできていると思えたのです。



『世界一・・』には、いくつか問題があると感じていました。たとえば、u の短母音と長母音とで音色の違いがあることに触れながら、それを発音しわけるようにはしていないことや、t がたたき音の r になることの説明が不十分だったり、k が帯気音化することをいってなかったり、いくつか穴が見られました。その点がさすがに靜さんの本にはないです。ただし、t のたたき音化はちょっと触れているだけです。



ただ『絶対発音力』で残念なのは、綴り字と発音との関係を完全には教えていないことです。たとえば語末の「黙音の e 」のことなど、出てきません。ですので、フォニックスの本を合わせて見た方がこの点はいいと思います。それと、音のつながりについても取り上げてありますが、弱形になったり音変化についてはもっと詳しい本もあるので、少しかんたんすぎるかなあという印象もありました。あと50ページくらい厚くすれば、そういうこともできると思いますが、入門書としてはこのくらいでOKということでしょうか。



それと、あいまいな a の長音が、r の音色を帯びるアメリカの発音について述べず、パスしています。この音はむずかしいので、無理して練習せず、イギリス式の r の響きがないものでいい、との判断なのでしょうね。発音記号もできるだけ使わないし、すべての母音・子音を網羅しているわけではありません。あくまで、日本人にとってむずかしいところにフォーカスしているという作り方です。



もう一ついうと、top, hot などの母音の発音は、日本語の「オ」から始めて「ア」に近づけろなどと指導しています。普通この音は「口の中に指三本入るくらい大きく開ける」などと指導されるのですが。静さんの指導法ですと、アメリカ英語の指三本の a ではなく、それよりもう少しイギリス英語よりの音が出るのではないかと思います。でもそれが、彼のここでのポリシーだと思われます。つまり、できるだけ日本人にとってやりやすい音で、しかも、世界のどこでも誤解されず通じるような発音ということで、アメリカ・イギリスどちらの標準にぴたりと合わせねばならぬ、という考え方ではないわけです。どちらの標準からもちょっとずれますが、「許容範囲内」に収まるということですね。



アメリカ式とイギリス式が混在することはまずいのでは? どちらかに統一した方がいい、という意見もありますが、靜さんは、べつにかまわない、との意見です。母音は地域によってゆれば大きいので、だいたいでいい、むしろ大切なのは子音だ、との立場です。私もこの考え方はプラクティカルでよいと思います。



というわけで、この本は、発音入門書として私の一押しの地位を占めました。



ただここで紹介した、関本のほか、『英語舌』だとか、フォニックスの本なども、いい本ではあります。併読するのは大いにすすめられます。

フォニックス発音トレーニングBook

2010.01.07.02:36

フォニックスと発音の本ですね。けっこう、売れているようですが、これもいい本だと思います。



ただ、発音練習法の解説は比較的簡単です。この練習法の部分は、本によってかなり違っています。発音の本というのは、一冊だけなくて、何冊か比べ読みしてみるのがいいと思います。いろいろな練習法があるのがわかるので、自分に合ったものがヒットする確率が高くなります。



ただ、発音というのは、個々の音素を正しく発音するというのだけでは不十分です。そういう発音の本も多いんですが、むしろ、文全体の調子、リダクションなどの音変化などが英語では重要な要素なので、そういう要素を含む本を一冊は持ってないといけません。



ですので、これ一冊で十分ではありませんが、何冊か読むうちの一冊ということでしたら推薦できると思います。
プロフィール

SH

Author:SH
東京大学大学院総合文化研究科出身。現在、地方の公立大学教授。第二言語習得研究・音声学等の知識をもとに25年以上にわたり英語教育に携わる。
TOEIC990点。
英語のほかいろいろな言語をやってみました。フランス語・ドイツ語・中国語も本を読むことはできます。現在は中国語とロシア語を学習中で、自分の外国語学習理論による多言語習得をめざしています。ハングル能力検定3級合格。

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